お食い初めに使用する食器は一般的にすべて新しくあつらえます。
しかしながら、実際は代々同じお膳を、男女関係なく使っておられるお宅もあるようです。
皇室の一般のお食い初め・お食べ初めにあたる『お箸揃えの儀』では いまでも白木の三方に土器(須恵器) が用いられています。
いつの頃からかわかりませんが、お食い初めの儀式には漆のものが、 用いられるようになりました。
男の子には総朱塗りのお椀と低いお膳を、女の子には内が朱塗りで、 外が黒塗りのお椀と高いお膳でを用意します。
現在では、同じ高さのお膳の場合が多いようです。漆のお膳、器には家紋を入れますが、男の子の場合は黒か金、女の子の場合は女紋を銀で入れます。ところが、紋を黒漆で描くと剥げやすく、銀で描くと時間とともに薄黒くなってくるので、当店ではご指定のない限り男の子も、女の子も金で描いてもらうよう蒔絵師さんに御願いしています。蒔絵師さんもほとんど黒や銀でお食い初めのお膳の家紋を入れるご注文はないとのことです。また、豪華に器に松竹梅、鶴、亀などの蒔絵が
描かれたものが使われる場合もあるようです。 箸は白木の柳箸を用います。このお膳一式は、昔からの慣わしとして妻の実家がお祝いの品として用意するとされています。現在では嫁ぎ先やご夫婦で用意されるところもございます。
お食い初めの道具(食器)は高価なものからお手頃な価格のものまでありますので ご予算に応じて考えていただければと思います。お食い初めのお祝いが終わったあとも、お節句、お誕生日、お正月にだされてお使いになられる方も多いと聞いております。女のお子様には結婚のときに一緒に持たせたいとおっしゃる方もいらっしゃいます。